Bio X Cell社ー 乳癌の転移を阻止する:カテプシンC阻害剤の役割
乳癌による死はしばしば、肺など遠隔臓器への転移によって起こります。転移の工程において、抑制的な機構を乗り越えることや新しい微細環境で成長を確立させることが極めて重要です。Bio X Cell社のanti-mouse IL-1b (clone B122)やanti-mouse IL-6 (clone MP5-20F3)を用いた研究で、腫瘍から分泌されるプロテアーゼであるカテプシンC(CTSC)が、乳癌の好中球を利用した肺でのコロニー形成を援助することが示されました。
Dr. Guohong Hu (the Shanghai Institute of Nutrition and Health)の研究チームは、転移率の異なる乳癌細胞株から分泌されるタンパク質を調査することから研究を始めました。研究チームは肺への転移能力のある細胞株が、免疫細胞内のリソソームにおける機能で知られるシステインプロテアーゼである、カテプシンC(CTSC)を分泌することを発見しました。さらに、同患者において、肺に転移した腫瘍では元の乳癌よりも多くのCTSCを発現していることが示されました。マウスモデルにおいてCTSCを過剰発現させた際には肺転移が増加した一方で、CTSCをノックダウンすると肺でのコロニー形成が減少し、転移の無い生存期間が改善されました。また、過剰発現とノックダウンの実験から、CTSCが癌細胞のseeding stageにおける転移の初期に増殖を促進させることが明らかになりました。
研究チームは次に、CTSCがどのように肺転移を制御しているのかに注目しました。研究チームは転移の初期に好中球の浸潤を調査し、腫瘍の播種が好中球の存在に依存して起こることを証明しました。CTSCは好中球細胞外トラップ(NETs)の形成も促進します。NETsはクロマチン骨格とタンパク質(プロテアーゼや抗菌ペプチドなど)から構成されます。この網状の構造は病原体を捉えて破壊しますが、転移を促す役割を持つことも示されています。研究チームはCTSCが好中球に結合するタンパク質であるプロテイナーゼ3を活性化させることを示しました。Bio X Cell社の抗IL-1b抗体と抗IL-6抗体を用いた研究から、プロテイナーゼ3の活性化がIL-1bの分泌や核内転写因子kBの活性化、IL-6やC-Cモチーフケモカインリガンド3(好中球を新たに肺転移した腫瘍に引き込む化学誘引物質)の放出を増加させることが示されました。
この研究は橋渡し研究となり得ます。CTSCによって誘導されるNET形成の過程を阻害することで、乳癌細胞の浸潤を防ぎ、肺への転移も阻止できる可能性があります。実際のところ、CTSC阻害剤(AZD7986)を投与されたマウスはNET形成が抑えられ、肺転移も減少して生存期間が改善されました。これらの発見は、乳癌における致命的な肺転移を防ぐための将来の研究と新たな治療法の可能性の礎を示しています。
以下のBio X Cell社製抗体がこの論文で使用されました。
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