BioXCellーCold TumorをHotに変える:乳がんに対する免疫の調節因子としてのRANK経路
免疫チェックポイントの阻害剤は黒色腫や非小細胞肺がんなど一部のがんに対する治療の状況を変えてきましたが、一方で、しばしば免疫学的に「cold」と表現される他の種類のがんは、免疫療法にあまり反応しません。多くの乳がんは免疫細胞による浸潤が少ないcoldな状態で、免疫チェックポイント阻害剤への反応が低いです。Bio X Cell社のAnti-mouse RANKL (clone IK22/5) antibodyを使用して、研究者たちは、RANK経路の阻害がcoldな状態の乳がんをhotに変えることと、その変化が免疫療法において有益になりうることを示しました。
研究者らはDr. Christos Sotiriou (Université Libre de Bruxelles in Brussels, Belgium)とDr. Eva González-Suárez (Bellvitge Biomedical Research Institute in Barcelona, Spain)の主導の下で、乳がんにおけるRANKシグナルの役割について、前臨床研究と臨床研究で調査しました。研究者チームは前臨床の調査においてマウスモデルを使用し、がん細胞のRANKの喪失が腫瘍組織湿潤リンパ球の増加につながることと、RANKを発現しているがん細胞が免疫抑制性の微細環境を誘発し、免疫による監視から逃れることを示しました。
加えて、Bio X Cell社のAnti-RANKL antibodyを用いて、RANKリガンド(RANKL)の阻害がマウスモデルにおいてチェックポイント阻害剤への感度を上げることが示されました。これらの結果は、乳がん患者においてRANK経路をターゲットとすることが、免疫療法への反応を向上させる可能性を示唆しています。
臨床の調査においては、Phase-II D-BEYOND clinical trialに登録しDenosumab(RANKLに対するヒトモノクローナル抗体)を投与された患者のサンプルを分析しました。この研究はがん増殖の低減という当初の目的には達しなかったものの、筆者らは、Denosumabの投与後に腫瘍組織浸潤リンパ球とCD8+ T細胞が増加することを報告しました。この結果は、RANKLの阻害がcold tumorsの免疫反応を促進する可能性があることを示しています。
投与前に見られた血清中の高水準なRANKLレベルは免疫の調整に関与すると推測され、免疫チェックポイントの阻害とDenosumabの組み合わせによる治療が有効となるであろう患者を特定する上で、有望なバイオマーカーとなります。
がん免疫療法が進化を続けているように、免疫学的にcoldな腫瘍においてチェックポイントを遮断する反応を誘発させる戦略の開発は、この分野における大きな挑戦となっています。今回の研究で報告された結果により、RANK経路のように免疫反応を調整する経路をターゲットとすることで、cold tumorsをhotに変えられる可能性が示されました。Denosumabとチェックポイント阻害剤の組み合わせを調査する臨床試験は、他の種類のがんでも計画されています。また今回の研究で示されたデータは、乳がんにおける同様の試行に理論的根拠を提示します。
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以下のBio X Cell社の抗体が今回の発表で取り上げられました。
- Anti-mouse RANKL antibody (clone IK22/5, Bio X Cell catalog no. BE0191)
- Anti-mouse CTLA-4 (CD152) (clone 9D9, Bio X Cell catalog no. BP0164)
- Anti-mouse PD-L1 (B7-H1) (clone 10F.9G2, Bio X Cell catalog no. BP0101)
- Rat IgG2a isotype control (clone 2A3, Bio X Cell catalog no. BP0089)
- Mouse IgG2b isotype control (clone MPC-11, Bio X Cell catalog no. BP0086)
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