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すべてのウイルスはゲノム突然変異によって進化が促進されます。突然変異によりウイルスは免疫応答から逃れ、ウイルス感染における選択的優位性を獲得します。ロスアラモス国立研究所の近年の研究によって、ヨーロッパ諸国で最初に出現したSARS-CoV-2 スパイクタンパク質の重要な突然変異 (D614G) が同定されました。このD614G変異株は、ヨーロッパ諸国で急速に感染の勢いを増していることから、D614G変異によってSARS-CoV-2ウイルスはより高い感染伝播力をもつ可能性が示唆されています。そのため、特にワクチンや医薬品の設計といった観点から、この変異株について理解することは極めて重要になります。

Sino Biological社は、D614G変異を有するリコンビナントS1タンパク質（40591-V08H3） を開発しました。リコンビナント614G変異株は、ACE2結合活性を示しました。

D614G変異に加えて、いくつか他の変異も同定されています。その変異の中には、S1のACE2と結合する能力を高めると考えられているものもあります。Sino Biological社では、これらの変異株の研究を促進するために、変異RBDタンパク質のパネルを開発しました。

その変異の一つは、オランダのミンクにも見られるSARS-CoV-2 スパイク RBDのY453F変異です。Y453はRBDの保存されたアミノ酸で、ACE2の34Hと直接結合します (ミンクでは34Y)。Y453F変異はヒトACE2への親和性を高めるため、ミンクのACE2への適応的突然変異である可能性があります。この新しいSARS-CoV-2スパイク変異が中和抗体の認識能を低下させる可能性があることが研究によって明らかになりました。新たに開発されたSARS-CoV-2ワクチンは、この変異に対して感受性が低い可能性があります。

Sino Biological社は、Y453F変異 （40592-V08H80） を持つリコンビナントRBDタンパク質をわずか9日で開発しました。リコンビナントY453F変異株はACE2結合活性を示しました。

新たに同定されたB.1.1.7系統は非常に多くの遺伝子変異を持ち、その結果、前例のない14のAA置換を生じています。それらの変異のうち8つはスパイクタンパク質に発生し、以下の3つは特に重要な変異です。
— N501Y, ヒトおよびマウスのACE2受容体への結合親和性の増加をもたらすと報告されています。
— 69-70del, 飼育下のミンクに関連した感染から発生した欠失です。
— P681H, Furinによる開裂部位に近接しています。

また、B.1.1.7株を、以前に同定された変異発生頻度の高い変異株とともに監視することも重要です。変異発生頻度の高い変異株として以下の例が挙げられます。
— D614G, 感染伝播力がやや増加する可能性があります。
— N439K, いくつかの中和抗体の“エスケープ変異体”である可能性があります。
— Y453F, いくつかの中和抗体の“エスケープ変異体”である可能性があります。

Sino Biological社は、これらの変異株に対するリコンビナント抗原のコレクションを生産してきました。これらの試薬は、抗体の有効性の評価やワクチン接種に使用することができます。