ACROBiosystems社 免疫チェックポイントタンパク質
製品の用途特徴CD47とSIRPalphaTIGITシグナル次のターゲット
背景
近年、免疫チェックポイントタンパク質がその腫瘍発達への関与から注目を集めています。癌細胞はしばしばチェックポイント経路を乗っ取ることで免疫システムを回避します。したがって、免疫チェックポイントを無効化することが身体の免疫システムを癌との戦いに再び従事させることを手助けすると考えられています。
興味深いことに、抗CTLA4と抗PD1モノクローナル抗体は患者においてすでに抗癌活性を示しています。この初期の成功に後押しされて、研究者たちはより良い癌治療を見つけ出すため、他の免疫チェックポイントタンパク質に調査を広げています。
研究者の試みを支援するため、ACROBiosystems社は独自の免疫チェックポイントタンパク質のコレクションを開発しました。コレクションにはFcタグ、Hisタグ、マウスFcタグ、Strepタグ、そしてタグなしのタンパク質が含まれます。ヒトタンパク質に加えて、マウス、ラット、ウサギ、アカゲザル、カニクイザルのタンパク質が動物試験に利用可能です。ACROBiosystems社製タンパク質の一貫性や優れた性能は様々なアッセイから確認されています。
関連ページ:ACROBiosystems社 二重特異性抗体のターゲット
関連ページ:ACROBiosystems社のご紹介
製品の用途
重要な特徴
高品質
純度や生理活性の一貫性は組換えタンパク質において重要です。すべてのACROBiosystems社製タンパク質は多岐にわたる純度・生理活性評価を通過しています。
High batch to batch consistency
図1.上に示すELISA分析で、3つの異なるロットのHuman TIGIT His tag (カタログ番号 TIT-H52H3)がHuman CD155 Protein, Fc Tag (カタログ番号 CD5-H5251)に対して使用されました。その結果、試験されたサンプルのロット間の差はごくわずかでした。
90%を超える純度(SEC-HPLCにて測定)
図2.ACROBiosystems社のHuman LAG-3, Fc Tag (カタログ番号 LA3-H5255)の純度は94%より高いと判断されました(A)。一方でR社が提供する同等の製品の純度は76%より高いと判断されました(B)。
SEC-MALSで検証された3量体タンパク質
腫瘍壊死因子(TNF)スーパーファミリーは19のリガンドと29の受容体を含み、特筆すべきところではTNFSF4 (OX40 Ligand)、TNFSF7 (CD27 Ligand)、TNFSF5 (CD40 Ligand)が含まれています。内在性のTNFスーパーファミリーリガンドはしばしば三量体を形成します(Russell et al., 2018)。
図3.HP-SECにおいてHuman CD27 Ligand, His,Flag Tag (active trimer) (MALS verified) (カタログ番号 CDL-H52Da)の純度は95%を超え、SEC-MALSでは55-70 kDaと確認されました。
Functional ELISAやSPR、FACSで確認された生理活性
ACROBiosystems社の免疫チェックポイントタンパク質やそのリガンドの生理活性は、ELISA(図4,8)やSPR(図5,9)、FACSを含む一連の分析によって確認されています。FACSには結合アッセイ(図6,10)や中和アッセイ(図7,11)が含まれます。
CD47とSIRPアルファ
CD47-SIRPアルファ間の相互作用は食作用において抑制的に機能します(Liu et al., 2017)。したがってSIRPアルファ-CD47の相互作用をモノクローナル抗体で阻害すると(図7)、自然免疫によるがん細胞の除去が進み、効果的な癌の治療につながります(Huang et al., 2017)。
ACROBiosystems社は独自のCD47関連製品を提供します。製品群には、迅速なハイスループットスクリーニングのために用意された、複数のaviタグプレビオチン化タンパク質も含まれます。さらにACROBiosystems社は他の一般的な実験生物種由来のCD47やSIRPアルファも提供しています。カニクイザルやアカゲザル、マウス、ラット、ウサギ由来の製品が含まれます。
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図4.固定化された5μg/mL (100μL/well)のHuman SIRP alpha, Fc Tag (カタログ番号 SIA-H5251)はHuman CD47, His Tag (カタログ番号 CD7-H5227)と結合しました。線形範囲は2-13 ng/mLでした(QC試験済み)。 | 図5.固定化された2 μg/mL (100 μL/well)の抗CD47モノクローナル抗体(ヒトIgG4)はUnconjugated Human CD47, His,Avitag (カタログ番号 CD7-HA2E9)と線形範囲0.05-2 ng/mLで結合しました(QC試験済み)。 |
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図6.抗ヒトIgG Fc抗体表面を介してCM5チップに捕捉された抗ヒトCD47モノクローナル抗体 (HumanIgG4)は、SPRアッセイにおいてHuman CD47, His Tag (カタログ番号 CD7-H5227)と結合定数1.66 nMで結合しました(Biacore T200)(定期的に試験されています)。 | 図7.抗ヒトIgG Fc抗体表面を介してCM5チップに捕捉された抗ヒトCD47モノクローナル抗体(ヒトIgG4)は、ヒト CD47と結合しました。AHCバイオセンサーに充填された抗ヒトCD47 モノクローナル抗体(ヒトIgG4)はHuman CD47, His Tag (カタログ番号 CD7-H5227)と結合し、BLIアッセイで結合定数は6.18 nMと判定されました(ForteBio Octet Red96e) (定期的に試験されています)。 |
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図8.FACSアッセイにおいてrecombinant Human SIRP alpha, His Tag (HPLC-verified) (カタログ番号 SIA-H5225)が、CD47を発現しているジャーカット細胞と結合することが示されました。使用されたSIRPアルファの濃度は1 µg/mlでした(定期的に試験されています)。 | 図9.FACS分析から、Human SIRP alpha, His Tag (HPLC-verified) (カタログ番号 SIA-H5225)とCD47を発現しているジャーカット細胞の結合が、抗CD47中和抗体の濃度上昇に伴って阻害されることが示されました。使用されたSIRPアルファの濃度は1 ug/ml、50%阻害濃度(IC50)は0.2257 ug/mlでした(定期的に試験されています)。 |
TIGITシグナルアクシス
TIGIT-CD155間の相互作用(図8,10)はメラノーマにおける免疫抑制機構を誘発します(Mahnke and Enk, 2016)。したがって、TIGIT-CD155間の相互作用をモノクローナル抗体で阻害すること(図11)は抑制シグナルによる癌の治療を促します。
ACROBiosystems社はTIGITのシグナルアクシス(axis)に関わる膨大な量の組換えタンパク質のコレクションを保有しています。製品群にはTIGITやCD155、DNAM-1、CD96、Nectin1 (CD111)、Nectin2 (CD112)、PVRIG (CD112R)、Nectin3 (CD113)、Nectin4が含まれます。一般に使用されるHis、Fc、マウスFcタグ付きのタンパク質に加えて、複数のプレビオチン化タンパク質も保有しています。またACROBiosystems社は、一般的に使用される他の実験生物由来のTIGITのシグナル経路のタンパク質も提供します。生物種にはカニクイザル、アカゲザル、マウス、ラット、ウサギが含まれます。
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図10.固定化された2μg/mL (100μL/well)のHuman TIGIT, His Tag (カタログ番号 TIT-H52H3)はHuman CD155, Fc Tag (カタログ番号 CD5-H5251)と結合しました。線形範囲は8-128 ng/mLでした(QC試験済み)。 | 図11.抗マウス抗体表面を介してCM5チップに捕捉された抗ヒトTIGITモノクローナル抗体(Mouse IgG1)はHuman TIGIT, His Tag (カタログ番号 TIT-H52H3)と結合し、SPRアッセイで結合定数は3.93 nMと判定されました(Biacore T200) (定期的に試験されています)。 |
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図12.FACSアッセイから、Biotinylated Human CD155, Fc Tag, Avi Tag (カタログ番号CD5-H82F6)がヒトTIGITを過剰発現している293T細胞と結合することが示されました。使用されたCD155 の濃度は1μg/mlでした(定期的に試験されています)。 | 図13.FACS分析から、Biotinylated Human CD155, Fc Tag, Avi Tag (カタログ番号 CD5-H82F6)とTIGITを過剰発現している293T細胞の結合が、抗ヒトTIGITモノクローナル中和抗体の濃度上昇に伴って阻害されることが示されました。使用されたCD155の濃度は1μg/ml、50%阻害濃度(IC50)は0.201μg/mlでした(定期的に試験されています)。 |
蛍光活性化セルソーティング(FACS)で試験された免疫チェックポイントタンパク質
カタログ番号 | 分子 | 宿主 | タグ |
---|---|---|---|
CD6-H5257 | B7-2 | Human | C-Fc |
CD6-H82F5 | B7-2 | Human | C-Fc&C-Avi |
CD5-H5251 | CD155 | Human | C-Fc |
CD5-H82F6 | CD155 | Human | C-Fc&C-Avi |
CD5-H5254 | CD155 | Human | C-mFc (mIgG2a) |
CD0-H5253 | CD40 | Human | C-Fc |
DN1-H52H6 | DNAM-1 | Human | C-10×His |
DN1-H5257 | DNAM-1 | Human | C-Fc |
DN1-H82F9 | DNAM-1 | Human | C-Fc&C-Avi |
LA3-C5252 | LAG-3 | Cynomolgus | C-Fc |
LA3-H52Aa | LAG-3 | Human | C-mFc (mIgG2a) |
LA3-H82F3 | LAG-3 | Human | C-mFc (mIgG2a) &C-Avi |
OX0-H5224 | OX40 | Human | C-10×His |
OX0-H5255 | OX40 | Human | C-Fc |
OX0-H82F7 | OX40 | Human | C-Fc&C-Avi |
TN4-H82E4 | OX40 | Human | C-Avi&C-6×His |
OX0-H5252 | OX40 | Human | C-mFc (mIgG2a) |
OXL-H52Q8 | OX40 Ligand | Human | N-6×His |
OXL-H5250 | OX40 Ligand | Human | C-mFc (mIgG2a) |
PD1-H5257 | PD-1 | Human | C-Fc |
PD1-H5258 | PD-L1 | Human | C-Fc |
PD1-H82F3 | PD-L1 | Human | C-Fc&C-Avi&C-6×His |
PD1-H52A3 | PD-L1 | Human | C-mFc (mIgG1) |
PD2-H5251 | PD-L2 | Human | C-Fc |
PD2-H52A5 | PD-L2 | Human | C-mFc (mIgG1) |
SIA-H5225 | SIRP alpha | Human | C-9×His |
SIA-H5251 | SIRP alpha | Human | C-Fc |
SIA-H52A8 | SIRP alpha | Human | C-mFc (mIgG1) |
CDA-H82F2 | SIRP alpha | Human | C-Fc&C-Avi |
TIT-H5254 | TIGIT | Human | C-Fc |
TIT-H52H3 | TIGIT | Human | C-10×His |
TIT-H82F1 | TIGIT | Human | C-Fc&C-Avi |
TIT-H82E5 | TIGIT | Human | C-Avi&C-10×His |
TIT-H5253 | TIGIT | Human | C-mFc (mIgG2a) |
ビオチン化された免疫チェックポイントタンパク質
ACROBiosystems社は即座に使用可能なビオチン化されたチェックポイントタンパク質を提供します。バックグラウンドが低く、高い特異性、高い生理活性、最小化されたバッチ間差異という性質を兼ね備えたタンパク質です。アッセイ開発を簡便にするこれらのタンパク質は、ELISAやAlphaLISA、SPR、FACSに使用できます。
ラマIgG Fcタグ付き免疫チェックポイントタンパク質
ACROBiosystems社は独自のラマIgG Fcタグ付き免疫チェックポイントタンパク質シリーズを提供します。このタンパク質はターゲットタンパク質の免疫原性を引き上げ、タグの免疫原性は低く、長い半減期と高い安定性を示し、エンドトキシンは少なく(0.01 EU perμg)、高純度で、ラマの免疫において高い活性を示します。
次に注目される免疫チェックポイントのターゲット
上記で説明した良く特徴づけされた免疫チェックポイントタンパク質に加えて、近年の研究では新しい種類の免疫制御因子が同定されています。これらのタンパク質は次の抗癌剤のターゲットとなる可能性を秘めています。
LILRA&B | ||||
---|---|---|---|---|
LILRA1 | LILRA2 | LILRA3 | LILRA5 | LILRA6 |
LILRB1 | LILRB2 | LILRB3 | LILRB4 | LILRB5 |
LILRA&2 | ||||
LAIR-1 | LAIR-2 | LILRA3 | LILRA5 | LILRA6 |
SLAMF | ||||
SLAMF1 | SLAMF2 (CD48) | SLAMF3 (CD229) | SLAMF4 (2B4) | SLAMF5 (CD84) |
SLAMF5 (NTB-A) | SLAMF7 | SLAMF9 (CD2F-10) | ||
Butyrophilins | ||||
BTN1A1 | BTN3A1 | BTN3A2 | BTN3A3 | BTNL3 |
BTNL9 |
阻害剤スクリーニングキット
ACROBiosystems社は現在、阻害剤となる抗体やPD1経路の小分子の候補の迅速なハイスループットスクリーニングのため、PD1-PD-L1 inhibitor screening assay kit (カタログ番号 EP-101)を提供しています。このアッセイはシンプルな比色法によるELISAのプラットフォームを採用し、固定化されたヒトPD-L1と自社開発されたビオチン化PD-1タンパク質の結合を測定します。
リファレンス
- Russell, M.S., Muralidharan, A., Larocque, L., Cao, J., Deschambault, Y., Varga, J., Thulasi Raman, S.N., and Li, X. (2018) .Identification and characterisation of the CD40-ligand of Sigmodon hispidus.PLoS ONE 13.
- Liu, X., Kwon, H., Li, Z., and Fu, Y. (2017) .Is CD47 an innate immune checkpoint for tumor evasion?J Hematol Oncol 10.
- Huang, Y., Ma, Y., Gao, P., and Yao, Z. (2017) .Targeting CD47:the achievements and concerns of current studies on cancer immunotherapy.J.Thorac.Dis.9, E168–E174.
- Mahnke, K., and Enk, A.H. (2016) .TIGIT-CD155 Interactions in Melanoma:A Novel Co-Inhibitory Pathway with Potential for Clinical Intervention.J.Invest.Dermatol.136, 9–11.
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